石積みの塀作り

2008年12月10日

石積みの塀作り石積みの仕事があるんだけど、やってみない?


…ひょんな事から、石積みの作業を手伝う事になった。

ラッキー! いつか、きっと役に立つ。
身体で覚えた作業は、決して忘れない。

石積みの塀作り現場の状況は、すでに昨日で、基礎の施工済み。

今回は50センチの低い塀なので、割とシンプルな基礎。少し地面を掘り下げて、5センチほどのコンクリを流して、石を埋め込んである。
塀の上には、柵を立てる予定なので、その位置に直径10センチの水道管が差してある。

昨日の作業も手伝いたかったなぁ。
糸を張って基準を作り、基礎を作る。…職人にとっては何てこと無い作業だろうけど、やり方がいまいちピンと来ない。
考えれば自分なりにできそうな気もするけど、きっと効率のいい方法があるに違いない。

(でも、柵の寸法を合わせるのに、かなり苦労したらしい。図面では合わず、結局は現物合わせだったとか…)

…さて、今日は、この基礎の上に、琉球石灰岩の石で壁を積んで行く作業だ。
いろいろ、教えて貰いながら、手伝ってきた。以下、そのレポート。

石積みの塀作り
○基準作り

石積みの塀作り透明チューブと水の入ったバケツを用意。
チューブを口で吸って、水を満たしておく。

チューブの片側をバケツに入れたまま、チューブの反対側を移動しても、水面の高さは両方とも同じで常に一定。…という原理を使って高さを決める、原始的かつ確実な方法だ。

最初に基準の高さを決める(今回は庭に敷いてあったタイルを0センチとした)。
水面の高さを測ると、タイルから38センチ。
つまり、水面より38センチ下が、0センチ。

言葉にすると回りくどいけど、この庭のどこにチューブを持って行っても、38センチの高さに水面があることを利用するワケだ。

まず、どの高さまで石を積むかの基準を作る。
昨日の糸のラインを延長した外側に、長めの垂直の棒を立てて固定しておく。


石積みの塀作り石積みの塀作り石積みの塀作り次に、水の入ったチューブの端を、垂直の棒に沿わせる。

今回は、基準から50センチの高さまで石を積む事になっている。
さっき書いたように、水面の高さは38センチ。ここに印を付けておく。

巻き尺を当てて、38センチの印にメモリを合わたまま、50センチの位置にも印を付ける。
全ての棒に50センチの印を付け終わったら、そこに木ネジをドリルで打ち込んで糸を張れば、50センチの高さに糸が張られていると言うわけ。
同じように、柵の上端の150センチの高さにも糸を張り、基準の完成。

石積みの塀作り
○モルタル作り

石を固定するため、セメントと砂を混ぜてモルタルを作る。

石積みの塀作り今回は琉球石灰岩の石を積むので、色を合わせるために、茶色っぽい砂を準備。
材料はホワイトセメント、砂(茶色)、石粉(色の調整用)、水だ。
最初に水以外の材料をミキサーでよく混ぜる。完全に混ざってから水を入れないと、セメントがダマになってしまう。

コンクリートブロックや石積みなど、骨材的な物が多い場合は、一般的に砂を多めに水を少なく、固めに練る。
砂は増量剤的な要素があり、多く入れるとコストは安いけど仕上がりは悪くなる。セメントが多ければ強度は上がるけど、お金がかかる。

このへんは親方の判断だ。

石積みの塀作り
○石積み開始

石積みにも、いくつか方法がある。興味があるので、親方にいろいろ聞いてみた。

一番簡単なのは「石をコンクリートに抱かせる」工法。
?? …ひとことで言われても解らないので、休憩の時に聞くと、型枠を組んでコンクリートを流し込んだ壁を作り、固まった後でコンクリートボンド等で石を表面に貼り付け、後からモルタルで目地を仕上げるという。

なるほど…。
よくDIYとかの雑誌に載っている、コンクリートブロックを積んで、後から表面にレンガを張っていくのと同じような方法だ。これなら、強度もあるし、簡単そう。

他にも、コンパネを立てて、その面に沿って石を積み上げ、反対側はセメントで固める方法や、一個一個の石を割ったり切ったりしながら、きっちり積み上げる職人技もあるという(この方法は、モルタルが無くても崩れないとか…)。

今回は庭の広さを有効活用するため、壁をできるだけ薄く仕上げたいという。
そのため、小さめの石を積み上げ、隙間をモルタルで固めるシンプルな方法となった。

石積みの塀作り作業は2人で行った。最初に、一人が石の組み合わせを考え、並べて行く。テトリスより、いくぶんか難しい。

次に2人目が、その位置を変えずに持ち上げ、モルタルを団子のようにして敷いて石を戻して固定。隙間にも小さな石を置いて、モルタルを振りかけながら押し込み、馴らして固定していく。
壁の幅は、25センチくらいだ。

石は一段づつ積みながら、横に進んでいく。
今回の壁の長さは8mくらいだったけど、端まで積んでから最初の位置に戻ると、モルタルはそこそこ堅くなっていた。
横から見ると、目地は隙間だらけだけど、後から仕上げれば大丈夫。今は、石の組み合わせに集中して作業だ。

とりあえず、3段くらい積んで、今日の作業は終了。



Posted by IGU at 21:58